2024. 10. 29. 04:41ㆍChildren's Songs
1946(昭和21)『ばあやたずねて』 歌唱:川田正
作詞:斎藤信夫/作曲:海沼 實/
https://www.youtube.com/watch?v=YwOONaLB_QU
職場のデイサービスでは、この歌を知っていた人は約5%くらいしかいませんでした。 特に歌が好きでコーラス等をやっていた人は、懐かしそうにに歌っていました。
名作『里の秋』や『蛙の笛』と同じ斎藤信夫と海沼 實コンビによる作品です。 この美しい詩を生み出した斎藤信夫は、小学校教員のかたわら、毎日一つ童謡を作り続けていました。川田正子によると、“戦時中は、生徒たちを前に「日本は必ず勝つ。君たちもお国のために尽くして欲しい」などと言ったこともあるそうです。斎藤先生はこのことをとても悔いていて、終戦後、教師を辞めました。「自分には教師としての責任がある。自分は罪深い人間だった」と思い詰めて語るような人でした”
(川田正子著『童謡は心のふるさと』(東京新聞出版局)より抜粋)。
「池田小百合なっとく童謡・唱歌」より
ばあやたずねて
作詞:斎藤信夫、作曲:海沼実
1
森かげの白い道
かたかたと馬車は駈けるよ
あかい空 青い流れ
ばあやの里はなつかしいよ
2
くりの花かおる道
ほろほろと夢はゆれるよ
枝の鳥ちちと鳴いて
ばあやの里はなつかしいよ
3
思い出の長い道
とぼとぼと馬車は進むよ
暮れの鐘 招くあかり
ばあやの里はなつかしいよ
ばあやたずねて
할멈한테 물어봐
作詞:斎藤信夫、作曲:海沼実
작사: 사이토 노부오, 작곡: 카이누마
ばあや [婆や] ① 나이 많은 하녀의 호칭 ② 할멈
1
森かげの白い道
Morika-ge no shiroi michi
숲 그림자의 하얀 길
かたかたと馬車は駈けるよ
kata-kata to basha wa kakeru yo
달그락 달그락 마차는 달려요
あかい空 青い流れ
akai sora aoi na-gare
붉은 하늘 푸른 흐름
ばあやの里はなつかしいよ
baaya no sato wa natsukashī yo
바아야의 마을이 그립습니다.
2
くりの花かおる道
Kuri no hana Kaoru michi
밤 꽃 향기나는 길
ほろほろと夢はゆれるよ
horohoro to yume wa yureru yo
팔랑팔랑 꿈이 흔들려요
枝の鳥ちちと鳴いて
eda no tori chichito naite
가지의 새 치치~ 우는데
ばあやの里はなつかしいよ
baaya no sato wa natsukashī yo
바아야의 마을이 그립습니다.
*栗の花( くりの花) , かおる [香る, 薫る, 馨る] 향기를 풍기다
3
思い出の長い道
Omoide no na-gai michi
추억의 긴 길
とぼとぼと馬車は進むよ
tobotoboto basha wa susumu yo
터벅터벅 마차가 나아가요
暮れの鐘 招くあかり
kure no kane maneku Akari
해질녁 종소리 초대하는 등불
ばあやの里はなつかしいよ
baaya no sato wa natsukashī yo
바아야의 마을이 그립습니다.
すすむ[進む] ① 나아가다 ② 진보하다 ③ 진척하다 ④ (지위·계급이) 올라가다
《蛇足》 数々の傑作童謡を生んだ斎藤信夫・海沼実コンビによる作品の1つ。詩は昭和16年(1941)8月22日に、曲は昭和21年(1946)夏に作られました。
斎藤信夫と海沼実の出会いについては、『里の秋』をご覧ください。
斎藤信夫は、明治44年(1911)3月3日、千葉県山武郡南郷村(現・成東町)五木田で生まれました。小学校教員のかたわら、毎日1つ童謡を作っていたといいます。名作『蛙の笛』は、敗戦後教師を辞める直前の作品、『夢のお馬車』は教師を辞めたあと何をしようかと模索していた時期の作品です。
斎藤信夫の子ども時代、近所にばあやのいる裕福な家があって、とても羨ましく思っていたこと、また九十九里浜から彼の村まで乗合馬車が開通し、ぜひ乗りたかったのに、果たせないまま廃線になってしまったこと――この詩は、そうした思い出から生まれた作品ということです。
ばあやとは裕福な家に雇われて子育てや家事を手伝う女性のことで、多くの場合乳母の親称です。
子どもが成長して手がかからなくなると、ばあやは実家に戻るのが一般的でした。その場合でも、子どもとの交流が長く続いたケースが多かったようです。この歌でも、ばあやの実家を子どもが訪ねるという設定になっています。
肉親か他人かにかかわらず、ひとは自分を育ててくれたひとに愛情を持つものです。まあ、育て方にもよるでしょうが。
下村湖人の自伝的大河小説『次郎物語』で、主人公の次郎は、母親の独自の教育論に従って、小学校の用務員の妻・お浜に預けられます。次郎の家から与えられる飯米目当てに養育を引き受けたお浜でしたが、やがて損得抜きで愛情を次郎に注ぐようになります。
少し成長した次郎は生家に戻されますが、実母になかなかなじめず、何度もお浜の許に逃げ帰ります。
第一部では、この次郎とお浜・実母との関係が主要なテーマになっています。
(二木紘三)
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